腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
「これ以上、嘘つくなよ。さすがに心苦しかったんだろ。こんな天然バカ騙すの」
「……」
「私たち結婚するのよ! 別にお金くらい騙されたっていい!」
私が言うと、
「……だってさ」
と吐き捨てるように須藤先生はいう。
田中さんはやっと口を開くと、
「そんなつもりは……結婚するつもりは俺にはなかった。手術も……あるって話しただけでお金が欲しいなんて一言も言ってない。それは彼女が勝手にそうしただけで!」
と叫ぶ。
は……?
今、何て言った?
言葉はわかるのに、意味は分からない。
突然、須藤先生が田中さんの胸ぐらをつかんで、私はその手を必死に止めた。
「最低だな! もう二度とこの子の前に現れるな」
「言われなくてもそうするつもりだ。そんな面倒な女!」
田中さんはそう叫ぶと、
封筒をバンと机の上に置いて、走って行ってしまった。