腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】

「僕の妻になにか御用でしょうか?」

 目を細めて睨みながら野添先生に言い放つ。
 自分の後ろにあげはを隠して。


「はは。須藤先生もまだまだだね。研究費、僕よりいっぱいとったからって油断しないほうがいいよ」

 野添先生はそんなことを言った。

 この先生は超負けず嫌いだ。研究費額をすべてチェックしていて、自分より高額の人間にはこうやって少し嫌がらせじみたことをするクセがある。

 ただ、あげはのことに関しては『ただの嫌がらせ』を超えた何かがある。
 自分にはわかる。

 思わず舌打ちしそうになるのをこらえて、目だけで微笑んだ。


「研究費の額なんて運がよかっただけです」

「またまたぁ。そんなことないでしょう。来年は、僕の方がとるけどね」


 そんなことを言い残して、じゃあ、と野添先生は去っていった。




 思わずその背中を睨んだ。
 昔から、あげはの周りには、この手の輩が多い。

 だから牽制の意味も含めて、首元に見えるように跡を残しているというのに……。
 あげはをチラリと見ると、あげははストールをもう一度整えなおして、首元をばっちり隠していた。


―――何で隠したりするの?

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