腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】

「それに、毎日何回もするって普通じゃないんでしょ! それに……」

 あげはは息も絶え絶え、一生懸命怒っている。
 目が潤んでいて、目の下も赤い。


―――かわいいなぁ。まったく。


 ふふ、と思わず笑みがこぼれると、またあげはは膨れた。
 でもね?

「あげは?」

 僕は、あげはの髪を優しくなでる。
 さっき触られたとこ、いますぐ消毒したい衝動にかられながら。


「なによっ」

 あげはは怒っていたが、僕はさっきからうしろにいた気配に目を向けて、

「それ以上の話は、お父さんがかわいそうだからやめてあげようか」

と言った。


 ばっ、と反射的にあげはが振り返る。
 あげはと後ろにいた鳥羽先生の目が合って、二人とも顔を真っ赤にした。

 やっぱり二人ともかわいいよな。
 この二人は、どう転んでも親子だと思う。


 僕はあげはの肩を抱くと、あげはの勤務時間がとっくに過ぎていることを確認し、

「お騒がせして申し訳ありません。今日は帰りますね」

と鳥羽教授に微笑んだ。

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