腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
なにが『須藤先生のことがよかった』のか。
私は首をかしげる。
芦屋先生はぴしり、と私の顔の前に指を出すと、
「須藤先生と何かあったでしょ」
と聞いてきた。
「え?」
「今日すっごく須藤先生機嫌いいわよね。会議でさっき会ったんだけど、機嫌よすぎて鳥肌立ったわ」
「なんて言われようですか。別に機嫌は……あ、これかな。経費大きいのとれたし」
私はつぶやく。
今回ついている経費はなんと4億円だったのだ。
共同研究ではありえない金額ではないが、正直、私はこの規模の額を扱ったことはない。
「そう? あの人、何億ぶんどろうと、どうとも思ってないわよ」
さらりと芦屋先生は言う。
「えーそうですか。で、なんで私が関係あるんですか?」
「え、あの人、あげはちゃんのこと好きだよね。漏れなくみんな知ってるけど」
「はい……?」
時がとまった気がした。
え……今、何言った?
好き? 誰が? 誰を?