腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】


 車が発進してから少しして、私は口を開いた。
 さっき嬉しそうな顔はしていた、だからこそ気になったこと。

「須藤先生は、処女って面倒じゃないんですか?」


 そんなことを聞いていた。
 だって、この前は処女は面倒って言ってたしさ。

 なのにさっきはあんなに嬉しそうに笑ったり。
 本当によくわかんないのだ。


「ん? 大丈夫だよ。面倒と思うのは、経験と余裕のない奴。そいつはね、自分に自信ないんだ」

「そうなの? 田中さんもそうだったと思う?」


 私は思わず聞いていた。
 田中さん、という単語を聞いて、須藤先生の眉は不機嫌そうに真ん中に寄った。

「ま、あいつは典型的な経験ない男みたいに見えたけど」

「そっか」

「信じない?」

「信じる」

「……今日、やけに素直だね」

 え? いつも私、素直じゃない?
 そう思って須藤先生の顔を見ると、須藤先生は苦笑した。



「だって、ゲスドウ先生だし。『そういうとこ』だけは誰よりも慣れてるだろうから。そこだけは信じてる」

「そこだけって……」

「だってそうでしょう?」

 だからあなたにこんなこと……、
 処女もらってなんて変なこと頼んだのよ。


 須藤先生は大きく息を吐くと、

「……ま、これからちゃんと分からせるけど」

という。

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