腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】

 女の子は、そんな私を見て眉を寄せると、

「あんた、須藤先生に近づかないでよ」

と言い放つ。

「えぇ……っと」

 私は言葉に詰まる。「でも別れたんですよね?」


 私が言うと、女の子の眉がさらに不機嫌そうに動き、はぁ⁉ と言われた。
 す、すみません、と思わず謝りそうになるが、一応、年上の沽券を守ろうと耐えた。


「あなたからふったんじゃないんですか……?」

 私はさらに聞く。
 女の子はさらに眉を寄せると

「ほんとあんたじゃま! あんた自分だけが特別って思ってるでしょ!」

 そんなことをまくし立てるように言われた。


「まさか……」


 そもそも私は特別なんかじゃない。
 一日だけ付き合ってもらうたくさんいるうちの一人。

 さらに彼女でもないのだから、彼を通り過ぎた女の中で、立場は一番低いだろう。
 底辺だ。

 そんなことを思っていると、

「あたしは学長の姪っ子なの。昔から須藤先生にはかわいがられてた」

 そんなことを彼女は言った。


「え……」

「どうせ知らなかったんでしょ。知らないままでしょ。なにも知らない癖にナニサマ?」


 私が、その意味が分からないままで黙っていると、彼女はぎゅう、と唇を噛み、ふん、と鼻息荒く、踵を返していってしまった。

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