狼男  無限自殺 編

中編



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 


「では朝礼を始める。」


次の日なのか、全然違う日なのか・・
場面は再び群馬県警に戻ってきた。


「「「「・・・・・・・。」」」」



・・・・ん?なんだ・・?


“なんか雰囲気がおかしい”・・

第三者の視点から見ても、この部屋の空気に流れるピリついた空気を感じ取った。



「綾野!!!」



え!!?

なんか隊長っぽい偉そうな人が綾野の胸ぐらを掴んだ!?

周りの隊員たちも止めることなく、
むしろ綾野に敵意を出している・・?


「お前ふざけてんのか?
何故“0件”なんだ!!?」


「・・・・・・・・・。」


綾野本人は至って冷静に・・
胸ぐらを掴まれている。


言うまでも無いが、“おいやめろ!急にどうした?”と俺が仲介に入っても、

声も聞こえなければ、
体にも触れられない・・。


「大会で優勝したからって調子に乗るなよ?さっさと【反則金】搾取してこい馬鹿野郎!!」



・・何を言ってるんだこのオッサンは?



「僕はその正義に賛同できません。」


「あぁ!?」


「【ネズミ捕り】なんて姑息な事をしなくても、

僕達白バイ隊員が走行していればドライバーへの注意喚起になります。」


「馬鹿かお前は!!
税金だけで賄えると思ってんのか?

馬鹿女や馬鹿若造や馬鹿プリウス共や、
馬鹿ジジイ共をしょっ引いて、

反則金を納めさせる。

そうやって金を集めて組織を潤して、
俺達の給料へと還元されていく。

白バイ隊員の本懐を忘れたのかお前は!!?」


「どうして“起こった後”の取り締まりの事しか考えないんですか?

【起こさせないよう】に安全を守るのが僕達の正義ではないんですか・・?」


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