DIYで魔法世界を再建!
第十一章 不穏な夜が幕を開ける
「ねぇ、ユキナ
 ソレは何?」

「それって・・・蝋燭代わりのコレ?」

さすがにまだ本物の蝋を使った蝋燭は作れない。ただ、蝋燭の様に、長い間炎を持続させてくれる木なら発見できた。
ブローチで調べたところ、この『ドドルイ』という木は、植物性が他の木々よりも多量に含まれている。だから、枝の先端に火を灯しても、すぐに消えない。
もちろん時間が経てば燃え尽きてしまうけど、夜の為に沢山用意してある。
ただ、ちょっと注意しなければならない事もある。このドドルイを焚き火にたくさん入れてしまうと、火の勢いが強すぎて大炎上になってしまう。
でも蝋燭程度の小さな火なら、安全に扱う事ができる。材料を探している最中、色々な植物を片っぱしから調べてよかった。
そして、拾ったドドルイの枝を釘の棘に枝をを差し込めば、いちいち手で持たなくても、『蝋燭立て』の代わりにもなる。若干雑にはなるけど、まだ今の段階ではしょうがない。
夜にするべき事は、物資の分別だ。需要がある物、そこまで需要がない物、便利な物、取扱が危険な物、それを仕切っておかないと、いざとなった時に大変な事になってしまう。
ドドルイもだけど、使い方を間違ってしまうと、とんでもない事になる素材だって沢山ある。火気厳禁な材料もあれば、湿気に弱い材料もある。
それらを分別して、適切な場所に保存しておかないと、材質が下がってしまったり、使い物にならなくなってしまう。
地下室は湿気が多いから、湿気に弱い材料はなるべく避ける。火気厳禁な材料は倉庫へ。
・・・でも、この作業も熱中しすぎると、眠る時間をすっかり忘れてしまう。ひと通りブローチで現在時刻は確認できるから、時々ブローチを覗いては、徹夜しないようにしている。
うっかり徹夜すると、翌朝の起きる時間が遅くなって、お日様が出ている時間にしかできない事ができず、夜更かしした自分自身を恨んでしまう。
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