OLユンファ。闇の左手。
タム叩く民
[タム叩く民]

蒼が亡くなったとき、スグリが暮らしていた村では葉や鳥のはねで着飾った「まじない師」たちの一同が隊伍を組んで練り歩き、徒笛を鳴らし、朗々とした祈祷を唱えたものだ。

スグリは巫として、草原の荒れ地を徒歩ですすみ、まじない師とともに徒笛を鳴らした。 高く澄んだ音だ。金属を固めたタム。それがうち鳴らされた。規則正しい音色が精霊を呼ぶ、とされた。

それからスグリは何年かしてオールドルナ首都に向かうのだが、あまりの風景の違いに驚いてしまう。その驚きを素直に伝えるんだから、スグリはいいヤツだ、とあたしユンファは感じる。
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