やわらかな檻
小母さまは私の斜め後ろに立ち、後輩の話を何度か頷きながら聞いている。
「売れて良かったじゃない」と励ますように声をかけながらも明らか声が沈んでいた。
「何だか今年は変に人気があって、どれも残り少ない状態だったんですけど……。ついさっき、二十代ほどの男性がほとんど全部買って行っちゃったんです」
「どういうこと?」
「外見もそうでしたけど。どんぶり勘定っていうか、すごく格好良い人でした。何が欲しいのか分からないから花束を全種類買いたいって言ってて、それで結局」
全種一つずつ買って行った結果、ほとんど全部買って行くことになった。
おそらくそれからすぐ後に売切れてしまったのだろう。
「売れて良かったじゃない」と励ますように声をかけながらも明らか声が沈んでいた。
「何だか今年は変に人気があって、どれも残り少ない状態だったんですけど……。ついさっき、二十代ほどの男性がほとんど全部買って行っちゃったんです」
「どういうこと?」
「外見もそうでしたけど。どんぶり勘定っていうか、すごく格好良い人でした。何が欲しいのか分からないから花束を全種類買いたいって言ってて、それで結局」
全種一つずつ買って行った結果、ほとんど全部買って行くことになった。
おそらくそれからすぐ後に売切れてしまったのだろう。