幼恋。




「よかった…!連絡もないし心配したよ!」



「ごめんねおりは、どうしても暗くなっちゃいそうで返事出来なくて」






ごめんね、と言いながら私を抱きしめ返してくれる架子ちゃんに

もっと色んなこと相談しても良かったのにと思った。



でもきっと架子ちゃんは相談するとか苦手なタイプだろうからしょうがないかな…。






「それに、木下くんが
なんとかするから気が済むまで悲しんで元気になったら来い
って連絡してくれてたからお言葉に甘えちゃった」



「椛が?」



「そうそう
王子も心配かけてごめんね」



「元気になったなら良かったよ」






そんな架子ちゃんの言葉を聞いて
架子ちゃんも離れて私が椛を見ると

椛は迷惑そうな顔で私を見返してくる。



それがなんだか照れ隠しに見えて
やっぱり椛は優しいなぁ。






「んで、もう旬佑の話しても大丈夫なのかよ」






椛がそう架子ちゃんに聞くと、一瞬間がありはしたけどいつもと変わらぬ笑顔で頷いた架子ちゃん。






「うん、今朝電話で話したからもう平気だよ」






そう言って親指を立てて平気だとアピールする架子ちゃんに少し安堵した。



例え少し無理してても、そう言えるくらいには元気になったってことだもんね。






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