幼恋。
「俺も混ぜろよ」
椛はそう言うと、私の隣に座ってた叶ちゃんを無理やりどかして私の隣に座った。
無理やりどかされた叶ちゃんは私の前のすずはの隣に移動しながら口を尖らせる。
「すずの隣に行けばいいじゃん〜」
「あー、わりぃチビすぎて見えなかったわ」
「目悪いんじゃない」
「あ?」
「いいえ、なんでも」
そんな2人のやりとりを見て、割と椛の機嫌がいいことに少し安堵した。
「そもそも椛は勉強しなくても頭いいし、する気ないでしょ。道具も持ってきてないのに」
「は?文句あんの?」
「別に〜邪魔しないで欲しいだけ」
「大丈夫だよ、お前の脳みそなんて邪魔しようがしまいが残念だからな。
な?おりは」
「いや、そんなことないよ」
「俺馬鹿なヤツって嫌いだわ〜」
椛は嫌味のように叶ちゃんにそう言いつつ
私の肩に腕を回してもたれかかってきた。
「叶ちゃん、気にしちゃダメだよ?頑張ろうね」
「ありがとうおりちゃん」
「叶の味方すんのかよおりは」
「そういう訳じゃ…」
完全に板挟み状態で、椛の怒りに触れないように笑っていると
もたれかかってきていた椛は私の太腿を触ってくる。
「…。」
「どうしたの?おりちゃん」
「な、なんでも…」