いつでもキミが
エピローグ 愛の形
「兄ちゃん、その陰の勇者って結局どうなんのかな」
「…さぁな。真純はどうなってほしいんだ?」
あれは俺が繭を主人公にして作った話だから、話の続きはないけど。
真純のいつか報われてほしいと思う気持ちもわかる。
「俺は…その勇者の優しさに気づいた人が、助けてあげるべきだと思う!
レベルの高い勇者でもいい!仲間になるんだ」
「勇者が勇者を助けるのか。それで?」
「もしも仲間ができたらさ、怪我したって、レベルアップできなくたって、陰の勇者はひとりじゃないだろ?」
「……そうだな」
俺もそう思うよ。
彼女を傷つけるものがあるなら、俺が少しでもその傷を癒したい。
彼女の大事なものは俺も一緒に守る。
絶対ひとりにはさせないから。
だからこれからもずっと…………
「兄ちゃんは?
もし陰の勇者に出会ったら、兄ちゃんだったらどうする?」
「俺は……どうかな、ただ見守ってるかも」
「陰の勇者を見守るの?」
「うん。それでいつでもそばにいて、陰の勇者が甘えられるような…どっかケガしたときは痛いって、そう言ってもらえるような存在になりたいかな」
願わくば家族思いの愛しい彼女のそばで。
彼女が心から笑顔でいられるように。ーー