いつでもキミが
素直になれるチョコレート?
次の日は夜に合同花火やバーベキューがあることもあり、みんなテンションが少し高いように感じていた。
結局自分の感情に整理のつかなかった私は、案の定寝不足である。
こうなってしまってはただのアホだ。
なんのための合宿なのか……
そう!私たちはバスケをするためにここにきた!
私はほっぺを両手でパチンと叩き、気合を入れ直す。
「っしゃ…!!」
ジンジンとするほっぺが程よく痛み、余計な邪念を忘れさせてくれた。
「うお?でらまゆゆ、気合入ってんね〜〜」
「あっ鬼畜先輩!」
「その呼び方やめなさいって言ってるでしょ」
「はじめちゃんはいいって言ってました!」
「……あいつ…」
先輩は少々怒ったような顔になったが、気を取り直したようにいつもの何を考えてるかよくわからない表情になる。
「紺野喜んでたよ。昨日の生姜焼き」
「っ…!」
「喜びすぎて放心状態だったけど」
そう言って思い出しているかのように笑う先輩の表情は、とても嘘をついているようには思えない。
そんなに、喜んでくれたんだ……
そんなことを考えると、ジワっと心臓が温まっていく。
「でらまゆちゃんはさ、まだ柳沼のことが好き?」
「……え…?」
先輩から飛び出してきた突拍子もない言葉に、私は一瞬何を言われたのかわからなかった。