天然お嬢と双子の番犬さん
「ッ!待ちやがれ!!」
そんな形相で待てって言われて待てる人いないと思う。
追いかけてくる先輩が見える。
でも、追いつけない。
だって二人共めっちゃ早いんだもん。ほんとに人一人抱えてんのかってぐらい早い。
「和と湊が逃げたって知ったら皆に笑われそう!」
「あー、一人ずつ殴ろっかなぁ」
「あ゛?俺は走ってるだけだ。逃げてねぇ」
あくまでも認めないスタイルと、知った奴から命の保証ないスタイル。
でも、ほんとにレアだぞ。
売られた喧嘩は必ず買う二人だからね!
それ無視して逃げるのは…あっ!もしかして初めてかも!!
「お嬢、口閉じて。飛ぶよ」
え、羽でも生えるの…?
想像してみる。
…あ、意外とかっこいいかも。
体が浮いた。
飛び降りたのは、13段下の踊り場。
…足ビリビリしそう。
二人は平気な顔でもう一回同じように飛び降りた。
…人間じゃないのかもしれない。
「チッ!おい!あいつ等捕まえろ!!」
先輩が叫ぶのが聞こえた。