離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました


 達樹さんと顔を合わせるのは一年ぶり。

 昨日、意を決して連絡を入れ、明日空港まで出向くと予告をした。


『会えるのを楽しみにしてる』

 電話の向こうで、達樹さんは私にそう言った。

 そんな風に言われると、社交辞令とわかっていてもチクリと胸にまち針ほどの針で刺したわずかな痛みが走った。

 でも、私の決心は決して鈍らない。

 今日できっぱり夫婦の関係を終わらせて、私はまた一から幸せな恋愛結婚の相手を見つけるんだ。

 東京国際空港に到着し、達樹さんが搭乗している飛行機の到着ロビーを目指す。

 手元の腕時計に目を落とせば、時刻は十六時を過ぎたところ。

 教えられている飛行機が到着する時刻間近だ。

 緊張も増してくる。だけど、それ以上にやっとこの虚しい結婚生活から解放されるという気持ちの方がはるかに大きい。

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