離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました


「り、離婚前提でいるのに、そんなこと──」

「それは言わないでおこうか」


 私の唇に立てた人差し指を押し当て、達樹さんは微笑みながら言葉を遮る。

 その指が外れると代わりのように唇が近づいて、押し当てるようにキスが落とされた。

 今日だけでもう何度目がわからない口づけに、思考はあっという間に鈍くなる。

 さっきファーストキスの経験をしたと思えば、もう深く濃厚な口づけを教えられている。

 このまま、達樹さんとここで……?

 高鳴る鼓動に包まれる中、唇を離れた達樹さんが私の首筋に顔を埋めた。


「俺は離婚前提でお前と過ごしてはいない。夫婦として、妻を愛するというだけだ」


 肌を震わせる低い声に、全身が粟立った。


「あっ、達樹さんっ──」


 首筋に口付けながら、ブラウスのボタンが上から外されていく。

 露わになった鎖骨を指先で撫でられると、それだけで肩がぴくんと揺れた。

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