離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました
「とりあえず少し寝る。夕方には起きて、どこかみのりの行きたいところに行こう」
「え、そんな、今日はもうずっと休んでてください。お疲れなのに」
まさか出かけようと言われるとは思わず、慌てて提案をお断りする。
「今から夕方まで眠れば十分だ。問題ない」
「え、でも──」
「じゃあ……」
私の声を遮り、ゆったりとした足取りでキッチンに入ってきた達樹さんは、目の前で足を止め冷蔵庫を閉めた私を覗き込む。
急に近づいた距離に、つい身構えて彼を見上げた。
「よく眠れるように、一緒に寝てくれると嬉しいんだけど」
「えっ……い、一緒にって」
そ、そんな、抱き枕な気軽な感じで言われましても……!
「いや、あの、そんなことでよく眠れるんですか?」
動揺を露わにする私にお構いなく、達樹さんは「もちろん」と即答して私の肩をさらう。
「え、本当に!?」
あっという間に寝室まで連れていかれると、腕を引かれてベッドの上に上がらされてしまう。
戸惑う私の横で体を倒した達樹さんは、自分のとなりを手でトントンとし、私の添い寝を求める。
じっと見つめてくる奥二重のどこか甘さを秘めた視線に鼓動が高鳴っていくのを感じながら、彼に背を向けた向きのまま静かにそこに体を倒した。