離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました
髪を撫でられる感覚で意識が浮上してきて、ハッと目を開ける。
「お。起きたか」
「へっ……?」
起きたかって……?
私のとなりで肘を立てて横になる達樹さんに微笑まれ、飛び起きるように背中を起こす。
「え、うそ。私、寝ちゃってましたか!?」
「みたいだな」
う、嘘ぉー!
あんなに緊張して心臓がバクバクいってたのに、どうなったら入眠するという状態に落ち着けるのだろうか。
自分の体のメカニズムにゾッとする。
「ごめんなさい……私が寝てどうすんだって感じですよね」
抱き枕が爆睡するなんて聞いたことがない。
「そうか? 疲れてたんだろ。自然に眠ってたってことは」
「いや、でも……」
「まぁ、眠れるくらい安心できたって証拠なわけだし、俺は普通に嬉しいけど」
そう言われてしまうと『違います!』なんて威勢よく否定できない。
実際、眠ってたのは確かなんだし……。