離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました
「じゃあ、昨日言ってたことの中からお任せでいいか?」
「あ、はい。いいです」
一体どこに行くのだろう。
行く先も知らないまま、車窓から流れる街を眺める。
首都高に乗っていった車からは、しばらくすると横浜方面の地名が見えてきていた。
ちらりと運転席の達樹さんに目を向けると、ハンドルを握る手元に目が留まる。
するするとハンドルを操作する長い指に、血管の浮き出た手の甲。
男性の手をまじまじと見る機会にこれまで恵まれず、手を見ているだけでわずかにドキドキしてきてしまう。
「でも、本当に大丈夫なんですか? 出かけたりしていて」
「無理をしているつもりは一切ない。俺がみのりを連れ出したいと思って出かけたんだ。何も気にするな」
「そうかもしれないですけど……明日もお仕事ですよね? 帰国してからまともに休まれていないですし、今日はゆっくり映画鑑賞とかでも全然良かったのに」
「じゃあそれは、次の機会にな」
次の機会と言われて、昨日話していたことを思い出す。