離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました


「それに、何度も言ってるが無理をしているつもりはこれっぽっちもないから」

「わかり、ました……。じゃあ、これ以上はもう言いません」

「ああ、そうしてくれ。気にしなくていい」


 話しているうちにいつの間にか高速を下りた車からは、左手に夜の相模湾が広がる。

 海沿いの道を走り、やがて達樹さんが車を停めたのは、すぐ目の前に海岸が広がる広い駐車場だった。

 陽気も過ごしやすくなってきたことも関係しているのか、駐車場には平日にかかわらず多く車が駐車されている。

 先に車を降りて行った達樹さんは、私の乗っている助手席側に回ってくると、丁寧にドアを開け私へ手を差し伸べる。

 ドキッとして達樹さんの顔を思わず見上げてしまったけれど、そっとその大きな手の平に自分の手を置いた。

 降車し歩きだすと、繋いだ手は達樹さんによって指を交互に絡められる。

 やっぱり自分から力を入れることができない私は、次第に手汗をかき始めてしまう。

 駐車場からすぐ向こうが海岸となっていて、舗装された階段を上っていくと目の前に夜の海が広がった。

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