離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました
初めてを捧げたあの日から、達樹さんはもう何度も私を求め抱いている。
何もかもが初体験だったあの日、私の体は達樹さんを完全には受け入れられなかった。
それを一晩で無理することなく、じっくり時間をかけて毎夜私に触れたのだ。
漫画か何かで得た知識だと、処女は面倒くさいとよく見かけていた。
それなのに、達樹さんは飽きずに粘り強く私を求めた。
その甲斐あってと言うのは変かもしれないけれど、私の体はやっと達樹さんを受け入れられるようになった。
男性を知らない私を相手にすることは、きっとじれったかったと思う。
それでも面倒くさがらず触れて求めてくれたことには、言葉には表現できない喜びと嬉しさがあった。
静かな部屋の中、突然スマートフォンの着信音が鳴り響き始める。
ドレッサーの傍らにおいたその画面には、〝あっ君〟の表示が出ていた。
最近はだいたいメッセージでのやり取りなのにどうしたのだろうと思いながら画面をタップした。