離縁するはずが、エリート外科医の溺愛に捕まりました
今から一年三か月前、突然縁談があると言われた私は、訳がわからないままお見合いの席に連れていかれた。
父親は『うちの病院のためだ』と言い、母親は『跡継ぎがいないうちは、あなたが嫁いで病院を守るしかないのよ』などと言った。
政略結婚を抗う術もなく、私は達樹さんとお見合いをすることになったのだけれど、それは私にとって納得のいくものではなかった。
中学から私立の女子校に進学し、そのままエスカレーター式に短大まで進学した私には、まともな恋愛経験がなかった。
子どもの頃から少女漫画が大好きだった私は、人一倍恋愛への憧れも強く、いつか漫画のようなキュンキュンする恋愛をしたいと夢見てきた。
だけど、それは叶うこともなく気が付けば二十六歳……。
恋愛を飛び越えて、いきなりお見合い、結婚なんて悲しすぎると当時はずいぶん嘆いた。
それでも私の気持ちを置き去りにして縁談は進んだ。