どうしているの?ねぇ、先輩…
私が示す、その先。
直人くんと一緒に視線を向けた廊下の奥を、会長が背を向けて歩いている。
右手には鞄を持って、左手には───彼女の手。
彼女の顔は、うしろ姿で残念ながら見えないけど。
「校内で手繋いで歩くとか、どんだけラブラブだっつーの。生徒会長が風紀乱していーわけ?」
「………」
「は!?負け犬の遠吠えじゃねーし!」
「なにも言ってないよ」
直人くんの声に突っ込みつつ、無意識に自分に言い聞かせる。
私はちゃんと、知っている。
あの先輩に、彼女がいること。
見つけただけでキャーキャー言って、ミーハーみたいに追いかける。
そんな女子たちと、私は違う。
大切な彼女がいる人を好きになる、そんな不毛なこともしない。
私は、不毛な恋もミーハーな恋も……
絶対にしない。