どうしているの?ねぇ、先輩…
<直人side>
23時15分。
瞬ちゃんと一緒に美香の家に向かって歩く。
「瞬ちゃん、誰かと約束してなかったの?」
「ん?」
「初詣。瞬ちゃんくらいのレベルになると、お誘いすんげぇ来てそうじゃん」
「なんだよレベルって」
「女子からのお誘い、凄かったんじゃない?」
「まぁクラスの奴らからは来たけど、家から遠い神社だったから断った」
「ふーん」
男2人、ポケットに手を突っ込んで白い息を吐きながら歩く。
カーキのモッズコートの俺と、ブラウンのダッフルコートの瞬ちゃんが、同じ歩幅で歩いてく。
寒ぃなーって首を縮めて歩く道では、同じように初詣に向かう人たちが大勢いるから、夜の11時過ぎって感じが全然しない。
「あず先輩は?約束しなかったの?」
もしかしたら一緒に行くんじゃないかなって、そう思ってたから。
LIMEを送った時だって、半分以上の確率で断られるんだろうなって覚悟してた。
「別に約束なんてしてねぇよ」
「そうなの?」
「うん…」
「?」
急に声のトーンが落ちた気がして、瞬ちゃんの横顔を見てみたら……
なんかすげぇ、微妙な顔してる。