どうしているの?ねぇ、先輩…



「、瞬先輩…!」


さっきみたいに窓枠に腕を置く先輩が見えて、私は叫んだ。

声が届いたのか、先輩が保健室の窓からこっちを見てくれて……


ハァハァ息を切らして辿り着いた保健室に、直人くんの姿はない。

でもよかった、瞬先輩はまだいてくれた。


「七瀬、」

「大変なんです、あず先輩が!」

「え、あず?」

「早く!早く来てください…!」

「ちょ、落ち着いて、どうしたの?」

「あず先輩が裏の空地で女子に囲まれて!」


説明をし終えるより先に、先輩が窓枠を飛び越えた。

私のことなんて見ずに、上履きのまま空地に走り出す先輩に、胸はやっぱり痛くなる。


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