どうしているの?ねぇ、先輩…



「あず、保健室、」

「あー、平気平気、大丈夫」


空地から2人の声が聞こえて、私は咄嗟に壁に隠れた。


だけどどうしよう。

このままじゃ、また見たくない光景を見ることになるかもしれない……


「平気ってお前、手ケガしてんじゃん」

「大袈裟だって、こんなんいつものことだから」


あず先輩が気丈に笑う声が聞こえる。


でも、「いつものこと」って。

あず先輩、いつもこんなことされてるの?


私が疑問を持ったのと、ほぼ同時。

瞬先輩が、同じことを呟いた。


「……いつものこと?」


瞬先輩の声のトーンが、一気に落ちた気がする。


「いつものことってなに。いつもこんなことされてんの?」

「そりゃそうでしょ、春田瞬ファンをなめちゃいかんよ。毎度毎度感心しちゃうわ。みんな瞬くんのこと相当好きなんだなーってね」

「は?なんだよそれ、俺なんも知らねぇんだけど」

「そりゃそうだよ、言ってないもん」

「いや、言ってないって、なんで、」

「だって言いたくないんだもん」


「、…」


なんか、不穏な空気、かも……


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