どうしているの?ねぇ、先輩…



振り向いたら、すぐ後ろに瞬先輩が立っていた。

「盗み聞き?」って言った瞬先輩の声が、不機嫌に怒っている気がする。

あず先輩との噛み合わない会話への苛立ちに加えて……私の盗み聞き。


どうしよう、怒らせちゃったかもしれない。


「あの、…ごめんなさい」

「……」

「……ごめんなさい」


言い訳も浮かばなくて、素直に謝りながら先輩を見上げる。

むっとした顔と目が合って、思わず視線を逸らしそうになったけど……


だけど先輩の口元は、目を逸らすより先にすぐに緩んだ。


「冗談だよ」

「え、」

「怒ってねぇから」


言いながら私の横を通り過ぎて、瞬先輩はポケットに手を入れて歩き出す。

だから私も、先輩の後を追いかける。


「怒って、」

「ないって。むしろさっき呼びに来てくれてありがとな。あずには助けるなって言われちゃったけど……でもあんなの、ほっとくわけにもいかなかったじゃん」

「……はい」

「七瀬が呼びにきてくれてよかったよ」



「助けたい」って思う瞬先輩と、「助けないで」って言うあず先輩は……これからどうなってしまうんだろう。

噛み合わない2人の未来は、どうなってしまうんだろう。


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