どうしているの?ねぇ、先輩…



「あの、私、美〇ひばりが十八番ですっ」

「ちょ、それ聴きたすぎる」

「有村音頭なら自信あります!」

「いや、なにその曲」

「え、知らないっすか?」

「はは、知らないっすね」


瞬先輩と話すとき、どうしてか拳を握ってしまう。

なにかを抑えるようにギュッと握る拳のお陰で、繋がる言葉が生まれる気がして。

拳を握って必死に言葉を紡ぐけど……私の言葉にいちいち先輩が笑うから。

なんだかすごく、恥ずかしい。


「じゃあ明日、みんなでカラオケ行くか」

「………」

「ん?なんか予定あった?」


下りてきた視線と目が合って……開きかけた拳を、もう一度ぎゅっと握った。

首をブンブン横に振りながら、もう一度必死に声を出す。



「ないと思います!」

「ふはっ、他人事みてぇ」



笑うその横顔に、喉元がどんどんどんどん詰まっていく。

息がしづらくて苦しくて……死んじゃいそう。


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