どうしているの?ねぇ、先輩…
少しだけ不安そうに聞いてきたのに、繋がっている右手にはぎゅっと力が込められる。
私も精一杯の勇気をだして、ぎゅって握り返して、「うん」って頷いた。
安心した息遣いと同時に、先輩の顔が柔らかく笑っていった。
「じゃあこれからは末永く、よろしくお願いします」
「こ、こちらこそ、あの、不束者ですが、どうぞよろしくお願いします」
今日から、彼女。
瞬先輩の、カノジョ。
初めての、彼氏と彼女。
頑張ろう。
ちゃんと彼女を出来るように、頑張ろう。
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「よし、着いた」
「ありがとうございます」
自転車で家まで送ってもらったのは、6時過ぎ。
外は少しだけ暗くて、カラスが何羽も鳴いている。