どうしているの?ねぇ、先輩…
「つーか多分、“章くん”のせいだな。あいつ、完全七瀬のこと好きだろ」
「それは……」
「さっきのもぜってぇわざとだし」
「さっきの?」
「俺が見てるって気づいてて、わざと七瀬の髪触ってた」
「え」
そんなこと……する?
「あの、以後気をつけます。髪は、命を懸けて死守しますので」
「はは、髪守る為に死ぬのはやめてよ?」
やっと、笑ってくれた。
よかった、もう怒ってないっぽい。
「いや、つーかほんとごめん……なんかもう、まじでごめん。章くんはただの友達って、前に言ってたのにな」
ただの、友達。
「……ただの、クラスメイトです」
今さっき、友達からクラスメイトに降格したから。
そこに、「深くまで知ってる」がつくみたいだけど。
それは瞬先輩には、言えなかった。
ひと気のない廊下に、チャイムが響く。
休み時間も、もう終わり。
「じゃあ取りあえず、昼休みに生徒会室な」
「はい」
先輩は3年生の教室に、そして私は2年生の教室に戻って行った。