どうしているの?ねぇ、先輩…
帰りに立ち寄ったスーパーで食材と少しのお菓子を買ったあと、先輩の家にお邪魔した。
作ったオムライスの最後の一口を食べ終えて、先輩がスプーンをお皿に置く。
「あー、オムライス久々食った。超美味かったわ」
「瞬先輩、もしかして料理苦手なんですか?」
「苦手苦手。どうやったらこれが出来んのか1つもわかんねぇもん」
「1つも…?」
「あ、今バカにしたろ」
「そんなことは…」
「したろ絶対」
「少し!ほんの少しですよっ」
「ははっ、少しとかなんのフォローにもなってなくね」
大きく笑った先輩の顔に、懐かしさが蘇る。
夢のようだって思っていた高校生活だったけど、懐かさを感じるってことは夢じゃなかった証拠。
私にもちゃんとあるんだ。
先輩と過ごした、たくさんの時間と思い出が。
「でも実は、私も料理苦手だったんです。一人暮らしを始めて、章くんに教えてもらって作れるようになった感じで」
そんな私の声に、先輩の顔が少しむっとした。