どうしているの?ねぇ、先輩…
私の頭を撫で続ける先輩の手から、ポタポタ水滴が落ちる。
先輩の肩に回す私の腕からも、ポタポタポタポタ落ちていく……
「あの、先輩…」
「ん?」
「今言うことじゃないかもしれないんですけど…」
お風呂ではこれ以上、真面目な話しが出来そうにないから。
その代わり、頭を撫でてくれるこの瞬間の先輩に、今の気持ちを伝えたくなった。
「……好きです」
「……」
「昔から、今もずっと先輩が好きです…」
突然の告白に、耳元でふっと笑ったあと……
どこか懐かしむように、先輩は言った。
「可愛かったんだよなー、あの頃の美香」
「え、今は可愛くないってことですか!」
すぐさま体を離し、その真意を確かめる。
「んなこと言ってねぇって」
「言った、絶対言った!あの頃って言った!」
「だってあの頃、俺のこと好きなのモロバレで超面白かったよ」
「やめてくださいそんな話、しかも面白いってひどい!」
「で、俺は見事に年下の女の子に振り回されてんのな」
「振り回してません」
「はー?相当振り回されてたから」
「知りませんよ」
「おまっ、俺がどんだけ直人に相談してたか!」
「知らないもん!」
不貞腐れて更に離れようとしたけれど、先輩の両腕に呆気なく捕まり阻止された。
抜け出せない腕の中で抵抗するせいで、お湯がゆらゆら激しく揺れる。
「なんで離れようとすんの」
「わっ…!?」
抵抗虚しく引き戻されたことで、先輩の体にぶつかってしまう。
肌と肌が触れ合うことは今に始まったわけじゃないし、さっきは私から大胆に抱きついたりもしたけど。