どうしているの?ねぇ、先輩…
「美香」
「、…」
立ち止まったのは、先輩の住むマンションの前。
暗くなりかけている空の下で、私たちは向き合った。
「ごめんな、俺の器が小さいせいで、美香に嫌な思いさせて」
笑いたくもないのに笑ってくれる先輩の顔に、泣きそうになる。
伝わらない精一杯の想いに、泣きそうになる…
「美香の気持ちは分かったから」
「……」
「美香が大事にしたいと思う人たちを、今までみたに大事にすればいいよ」
「、…」
「お前の人間関係を壊す権利なんて、俺にはないもんな」
「、」
「今まで通り、章くんとは友達でいなよ」
「…でも」
「それを美香は望んでるんだろ?だったら俺がそこに歩み寄るしかねぇじゃん」
“歩み寄る”
その言葉に、またなにかを思い出す。
そうだ、あず先輩と瞬先輩のこと。
2人はあのとき、どうして別れたんだっけ…
───“お互いに尊重し合えるものならいいけど、意見が食い違ったまま、なんとなく誤魔化すことも多くて”
───“結局、長く考えてもどれだけ悩んでも、歩み寄るって答えには辿り着けなかったの”
お互いに歩み寄ることが出来なかったから、2人は別れた。
じゃあ、どちらかが歩み寄ることさえ出来れば、
瞬先輩が歩み寄ってくれるなら、
この先はきっと、大丈夫……だよね?