【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。



 「俺は絶対にイヤだ。……朱鳥と別れたくない。これからもずっと一緒にいたいと思ってる」

 「っ……だって、わたし……赤ちゃん、生めなかった……。せっかく那智さんが家族になろうって言ってくれたのに、その願い、わたしは叶えてあげられなかった……!」

 わたしはいつの間にか涙が溢れて止まらなくて、言葉を詰まらせてしまった。
 もっと他にも言いたいことがたくさんあるのに、それも言えない。

 「うぅっ……赤ちゃん、生みたかった……」

 わたしのその一言は、本心だ。元気な赤ちゃんを生んで、幸せで最高な家族になっていくことを、わたしたちはすごく楽しみにしていた。  
 ……だからこそ、その罪悪感で申し訳なくて、一緒にいるのが辛くなりそうだった。

 「朱鳥、もういい。 もういいから……。もう、何も言わなくていい」

 だけどそんなわたしを、那智さんはそう言って抱きしめてくれた。

 「那智さん、ごめんなさい……。ごめんなさい……」

 「もう謝らなくていい。……朱鳥は何も悪くないんだ。だからもう、謝るな」
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