【完結】一夜の過ちで身籠ったら、夫婦が始まってしまいました。
「……那智、さん」
とめどなく溢れるその涙を、那智さんは優しく拭ってくれた。そして話を続けた。
「……確かに最初は、妊娠したと聞いて、正直焦った。責任取らないとなとか、そんなことを考えて君にプロポーズをした。……だけど今は違う。朱鳥のことを本当に愛しているから、一緒にいたいんだ。もしこれから先、赤ちゃんが出来なかったとしても、俺はそれでもいい。……朱鳥のことを大事にしたいんだ。死ぬまでずっと、俺はお前と最高の夫婦でいたいんだ」
那智さんのその言葉が胸の奥に響いて、何も言わなくて涙が自然と溢れてくる。
涙で視界が滲んで、那智さんの顔が見えなくなる。
「朱鳥がくれたあの手紙、俺すごく嬉しかった。あの手紙を読んで、俺はますます朱鳥のことを守りたい。大切にしたいと思ったんだ。……俺にはな、朱鳥?君が必要なんだよ」
もうそんなことを言われたら、わたしは何も言い返せなくなる。
離婚したいだなんて、言えなくなってしまうよ……。