仮面夫婦だったはずですが妊娠したら、カタブツ社長は新妻への愛を抑えきれない。


 敦志に飛行機の手配を頼み、スマホの壁紙を見る。壁紙は結婚式の写真だ。俺と咲良の2ショット写真……ウェディングドレス姿の咲良可愛い。


「蓮司、そんなに好きで伝えてる?」

「何をだ?」

「何をって、好きとか可愛いとか愛してるとかだよ。当たり前だろう?」


そんなこと言ったことない……だってこんなおじさんに好かれたって嫌に決まってる。


「言ってねーのか。全く……そんなんじゃ、奥さんだって好きになってはくれねーな」

「咲良が俺を好きになる可能性はゼロだ」

「は? 何、断言しちゃうわけ?」

「咲良に言ったから愛さなくていいって」


 そう、言ってしまった俺は彼女と進展することもない。


「バカなの? どうして、そんなこと言ったわけ?」

「咲良は若いし、この結婚だって大人の都合だろ? 好きな人いたかもしれない」

「はぁ……奥さんのためってことね」


 咲良のためか……いや、多分俺のためだ。傷つかないように、防御線を張っているだけだ。






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