仮面夫婦だったはずですが妊娠したら、カタブツ社長は新妻への愛を抑えきれない。


 その日は、日本で出来るトラブルの対処をして会社で夜を迎えることになった。


「社長、荷物持ってきました」

「あ、あぁ……敦志。ありがとう」


 会社で泊まる日はいつも敦志が取りに行ってくれている……まてよ? ってことは、敦志は咲良に会ったってことか?


「奥さん優しいですねー! とても高校卒業仕立てとは思わないくらい出来たお嫁さんじゃないですか〜」

「……会ったのか? 話したのか?」

「そりゃ上がらせて頂かないと荷物持ってこれないですよ?」


 それは確かに敦志の言う通りだけど……仕方ないか、と心の中でなんとか納得させる。だが、敦志が荷物の他に紙袋を持っているのに気づいた。


「それは何?」

「あっ、そうでした! 奥さんがパパッと作ってくださったんですよ〜俺の分も用意してくださって……」


 夕食いらないといったのに、作ってくれたのか。悪いことしたな……敦志の分までも用意しただなんて。


「敦志は食べるな、これでなんか買ってこい」







< 21 / 56 >

この作品をシェア

pagetop