仮面夫婦だったはずですが妊娠したら、カタブツ社長は新妻への愛を抑えきれない。
《咲良side》
「れん、じさん……?」
私は、今蓮司さんに抱きしめられていて……どうすればいいのかわからなくなる。
「咲良、めちゃくちゃ嬉しいよ」
「……う、嘘……」
「嘘なんかじゃない」
そんなはずは……だって、蓮司さんに嬉しくなる要素ないでしょう。
あ、でも。もしかしたら……。
「後継者困らないで済みますもんねっ! 早くお義父様に連絡しなくちゃ……!」
「違う、違うんだ。俺は本当に嬉しくて」
「私っ、もう寝ます……っ! 時間取らせてしまい申し訳ありませんでした」
私は、蓮司さんから離れて寝室から出てリビングに駆け込んだ。
こんなの本当に、子供じゃないか。私、お母さんになるのに何やってるんだろう……。
「……戻らなきゃ……っ」
私は、寝室のドアを開けると電話をしている蓮司さんがいる。
『……あぁ、約束通り子どもができた。だからあの子を自由にさせろ』