溺愛王子は地味子ちゃんを甘く誘惑する。

夜の暇な時間は嶺亜の部屋に行っていることが多かったが、今日はなんとなく行けずに部屋で悶々としていたんだ。


「おう」


入ってきた嶺亜は、俺にコーヒーの缶を投げてよこした。


「サンキュ」


風呂上がりで喉も乾いていたから、すぐに蓋を開けて喉へ流し込む。


冷たいブラックコーヒーは、シャキッと頭が冴える。


「どう? 調子は?」


「悪い」


「理由は?」


「乃愛に避けられてる」


「どうして?」


「わかんね……」


嶺亜が来た理由なんてわかるし、気持ちを打ち明けてるんだから隠したってしょうがない。


ぽつぽつと子どもみたいに吐き出せば、うーんとうなる嶺亜。

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