また逢う日まで、さよならは言わないで。



私たちは、食事を終え、浜辺を歩いていた。



日は高く上がり、1日がまだ終わる様子はない。



立花さんが一歩私の前を歩き、砂浜に立花さんの靴跡が残る。


私はその後の上に自分の靴を乗せて歩く。


身長が私よりも20センチ以上違うためか、歩幅も違う。いつもの私の歩く歩幅よりも広い。


転ばないように転ばないように、下を向いて私は歩く。



「ホクトのこと、聞きたいんだよね」



突然、そういって立ち止まった立花さん。



立ち止まったことに気づかず、立花さんの背中に突進してしまい、尻もちをついてしまった私。



急な背中への衝撃にびっくりしたように振り向いた立花さん。



「あ、ごめんごめん!」



立花さんはそう謝りながらも、私には少し笑っているのがわかった。



お尻は少しばかり痛むが、立花さんが笑ってくれたことがうれしくて、自然と私の表情もほころんだ気がした。



「急に止まって悪かった」



そういって、私に手を差し伸べてくれる立花さん。


私は、その手を素直につかみ、立ち上がった。



「気になるんなら話しておこうかと思って」



立花さんは、立ち止まる理由となった話を、改めて切り出した。



「話してくれるんですか?」



「うん。立ち話もなんだし、座って話そうか」



私たちは、私が今日の待ち合わせの時に座っていた防波堤に腰かけた。




さっきまで、空高く上がっていた日は、水平線に近づいていた。


もう、1日が終わることを告げているようだ。



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