幼馴染からの抜け出し方

 でも、今日久しぶりに会った由貴ちゃんはいつもの由貴ちゃんでホッとした。

 私はまだ由貴ちゃんの幼馴染でいていいんだ――でも、それはいつまで?

 由貴ちゃんはどういう気持ちで私に『このまま幼馴染でいるつもりないから』なんて言ったのだろう。

 由貴ちゃんに甘えてばかりの私は、とうとう由貴ちゃんに愛想を尽かされて突き放されてしまうのだろうか……。

 ぼんやりとそんな不安を感じていると、いつの間にか私と由貴ちゃんの実家まであと数十メートルの距離まで歩いてきていた。お隣同士に並んだ家が少しずつ見えてくる。

 子供の頃はお互いの家を行き来してよく一緒に遊んだ。どちらかの家でお泊り会をしたこともあったし、誕生日も毎年一緒に祝っていた気がする。

 振り返ると、私の思い出の中のどのシーンを切り取っても、そこには必ず由貴ちゃんがいた。これからもずっとそうだと思っているのは私だけなのだろうか……。


「私はいつか由貴ちゃんの幼馴染みじゃなくなるのかな」


 星も月も見えない夜空を見上げながらふと、そんな言葉がこぼれていた。

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