幼馴染からの抜け出し方
すると、すぐ隣を歩く由貴ちゃんの足がぴたりと止まる。
どうしたんだろう?と、私も足を止めて由貴ちゃんを振り返ると、珍しく慌てた様子の由貴ちゃんが私に一歩詰め寄ってきた。
「えっ、あ、いや、違う。違うから。めぐ誤解してる」
「誤解?」
「めぐはずっと俺の大切な幼馴染だから。あっ、でもそうじゃなくて……」
言いながら、由貴ちゃんは困ったように頬をかいた。そして、先ほどよりも落ち着いた声で私に告げる。
「いつまでも幼馴染じゃないっていう言葉は、めぐが思っているような意味で言ったんじゃないんだ」
「じゃあどういう意味?」
「それは、えっと……」
聞き返すと、由貴ちゃんは言いづらそうに口を閉じてしまった。
けれど、しばらくするとまるでなにか迷いが吹っ切れたような表情で続きの言葉を口にする。
「本当は今日、そのことでめぐに話したいことがあったんだ。でも、なかなか切り出せないままここまで来ちゃって。……でも、うん。もうはっきりと言う。言わないと」
由貴ちゃんが、すぅっと深く息を吸い込んで、吐き出す。
「俺、めぐのこと――」
しかし、その言葉は途中で止まり、由貴ちゃんの視線はどこか真っ直ぐ前を見つめている。