幼馴染からの抜け出し方
由貴ちゃんが私を好き? 違うから。由貴ちゃんは幼馴染として私のことを心配してくれているだけ。そうだよね、由貴ちゃん……?
けれど、由貴ちゃんは口を閉ざしたまま。森谷君の言葉に肯定も否定もしようとしない。すると、それを肯定と捉えたらしい森谷君が皮肉たっぷりに口を開く。
「もしそうならかわいそうだな。いつからめぐみのこと好きだったのか知らないけど、俺にめぐみを取られたとき悲しかっただろ」
そう言って、森谷君は由貴ちゃんのことを馬鹿にするようにケラケラと声をあげて笑い出した。
「そういえばめぐみのやつこんなこと言ってたな。由貴ちゃんはただの幼馴染で男としては見られないって」
「森谷君っ!」
私は思わず声をあげて、由貴ちゃんの背中から飛び出した。
たしかに、なにかの話の流れでそう言ったことはある。でもそれを今、由貴ちゃんの前で言わなくてもいいのに。
そっと由貴ちゃんの顔を見上げても、その表情からは何もうかがうことはできなかった。
「めぐ」
由貴ちゃんが私の名前を呼ぶと、私の手を引いて再び背中に隠す。そして由貴ちゃんが冷静に森谷君に言葉を返す。