幼馴染からの抜け出し方

 私の方が本命? でも、じゃあ私の頬をたたいたあの彼女は? 彼女は、自分の方が森谷君の本命で、私が浮気相手だと言っていた。

 森谷君もそれを否定しなかったし、私が頬をたたかれてアパートを飛び出したときも追いかけてきてくれなかった。

 だから、やっぱり森谷君にとって私はただの浮気相手だと思ったし、私たちの関係はあの日でもう終わったと思っていたのに。

 それなのにどういうことだろう。

 私が本命だったの?

 でも、今さらそんなことを言われても信じることができないし、私はもう森谷君のことを好きじゃない。


「あのさ、幼馴染だかなんだか知らないけど由貴ちゃんには関係ないだろ。めぐみとふたりきりで話をさせろよ」


 とうとうこの状況の我慢が限界にきたのか、森谷君の口調がさらにきつくなる。そして一歩前に詰め寄る音がしたので、こわくて私は反射的に瞳を閉じてしまった。


「ふたりきりになんてさせるわけないだろ。あんたみたいなやつにめぐは渡さない」


 由貴ちゃんの冷静な声が響いて、私はハッと顔をあげる。すると森谷君のからかうような声が聞こえた。


「……あれ? もしかして由貴ちゃん。めぐみのこと好きなの?」


 えっ⁉ ちょっと森谷君なに言うの?

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