弔いの鐘をきけ
唇を重ね合わせるだけだったのが、いつしか舌を絡めたものになり、苦しそうに息継ぎをしながら、ジェシカはその甘い快感にほんのひととき、目的を無視して溺れた。
心はまだぜんぶあげない。けれどニコが死んで以来、絶えず真摯に愛を囁きつづける彼を見ていたら、絆されてしまうのは致し方ないことだ。ジェシカはミトに陥落しつつある自分のことを一蹴して、必要なキスを執拗に受け入れる――……
既にニコールの死から二年が経っていた。
あのときの弔いの鐘は、夢を現実にするための試合開始の鐘だった。
そしてミトとジェシカでニコールの名を世間へ拡めはじめたいま。
ようやく、恋戦という新たな試合が、ふたりの間で幕開いたのである。
“Death bell as Fight of the love”―――fin.


