アスミルセカイ

高鳴る心と席替え



「席替えをしますっ」

勢いよく教卓を叩き、大きな声で私たちの担任、新葉光希(しんば みつき)先生はそう言った。
ずっと、隣の席は女子で、そろそろ男子でも良いんじゃないかと思っていた。

私、蒼井雫(あおい しずく)は男子が苦手な中学2年生。
そんな私が男子でも良いと思えたのは…。

ちらっと後ろの席に目をやる。
暁月零(あかつき れい)。彼は、同じ写真部の唯一の同級生。
無愛想で、考えが予測不能で、おまけに俺様。
でも、少女漫画を読んで育った私は、ビビッと来てしまった。
それで、昨日親友である成瀬未来(なるせ みく)に『暁月くん好きかも宣言』をしてしまったのだ。

そんな7月1日。
今回はくじ引きで席を決める。

「じゃあまず女子!」

順々にくじをひき、席が決まっていく。

(!窓側だ。あーでも前か〜。先生の視界に入りそう…)

「雫!どーだった??どこ?」

未来が最後のくじを引いて私のところに走ってくる。

「窓側の前だよー、未来は?」

「え!私、雫の後ろじゃんっ!え、やっぱ運命だよね」

「ほんとにっ!?やったー!未来がいれば勉強分かんなくなっても安心じゃん〜」

「なんか喜ぶところが…ちょい複雑なんだけど(笑)」
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