心理作戦といこうか。
睡眠時間はたっぷり摂れた。
目覚めは完璧だ。
バスルームに着くと洗面器の脇にフェイスタオルと一緒に今まで使っていた基礎化粧品の遥か上をいく物たちが待っていた。
(昨日の夜も思ったけど…完璧過ぎない?)

「う~ん。やっぱり快適。
 足りないものが無くて困る事が無いのも困るな。。。」

なんだか、とっても用意周到・・・?
こういった物って全部、玲くんが用意したの・・・?
変な気持ちが過り胸がチクッと傷んだ。
玲くんは男兄弟だし、私は一人っ子。
誰かに相談して、この化粧品たちを用意したって事だよね?
私は女性だからその辺の知識はそれなりにあるけど、じゃあ玲くんはどこで知ってたの?

「元彼女とかだったら、やだな。
 一緒に買いに行って選んだとかだったらもっとやだな。」

口に出したらなんだか泣けてきた。
これは決して、嬉し涙ではない。
もう一度、洗顔をして洗い流そう。
とても複雑な気持ちで洗顔と歯磨きをし、軽くメイクをした。
(浮かばない気持ち。まさにそれだな。)
メイクを殆んどしない私には勿体ない高級な化粧品たちにさえも申し訳ない気持ちになる。
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