心理作戦といこうか。
そのあとは焼きたてのマルゲリータに生ウニのクリームスパゲッティー、海老グラタンと次々と運ばれ、どれも感動的な美味しさに夢の中にいるようだった。
「お好みでピザにかけて下さい」と言われた赤唐辛子が入ったオリーブ油もまた美味しかった。
釜で焼いた焼きたてのピザを食べてしまうと、これはもう冷凍ピザを満足出来るのか心配になるほどだ。

「ねえ?
 気になってる事があるの。」

「なに?気になってる事って。」

「わたしのテレビって何処に行ったのかな?
 まだね、観てない撮りためてある番組があるの!
 それが観たいけど、何処に行ったか分かんなくて。」

お恥ずかしいお話しだが、私にとっても大事な話である。
まさか…テレビは捨てたとか言わないで欲しい…。お願いと祈る。

「ああ。その事?
 真琴のテレビは真琴の実家に置いて貰ってある。
 ちょうど書斎にテレビが欲しかったってお義父さんが言ってたからな。」

なっ!?耳を疑う発言に耳鳴りがした。

「えっ!?
 ちょっと!勝手にお父さんにあげちゃダメ!!」

「大丈夫だよ。
 真琴が気になっている事は解決済みだ。
 真琴が撮りためてたドラマやアニメはお義母さんに聞いていたから殆んど同じ番組を録画してある。
 な?問題ないだろ?
 だから、実家に帰らずうちで観れる。」

玲くんと私の両親ってどんな繋がりがなるのか怖くて聞けないけど…。
絶対、私の両親は玲くん側だよね…。

「ううっ。」

勝手にテレビを持っていっちゃうなんて信じられない!と怒りたいのを我慢してもう、いいやと思いメインをがむしゃらに食べる。。。
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