心理作戦といこうか。
いきなり…そして再度、横抱きにされベッドまで運ばれた。
何となく。何となくだが玲くんの機嫌が悪い気がする。
ベッドに着くとゆっくり下ろされとほっとして眠ろうかなと思ってた、その刹那ーーーー玲くんに組み敷かれた。
「わあ!?」
「真琴がそんな態度だったら、俺にも考えがある。
ここの部屋は他の部屋と違って外から鍵がかけられるようになってる。
真琴がそんな態度なら常に鍵をかける。
もちろん、真琴はこの部屋でゆっくりスマホで漫画でも読んでいれば良いよ。
言ってる意味分かるよな?
俺は真琴だけなんだよ。
俺はいつだって真琴の事が好きだ。
公園で初めて会った、あの日から俺は真琴一筋なんだよ。
俺の気持ちは真琴のご両親、俺の家族には知れ渡っている周知の事実だ。
真琴が何処へ逃げたって探し出すから。」
「・・・。」
ポロポロと零れてくるのは熱のせいにしておく。
私だって…小さな私を邪険に思わず一緒に遊んでくれた…あなたがいつだって好きだったよ。
「真琴。ごめん。
熱もあって、人見知りの真琴に会ったこともないやつがいきなり来てびっくりしたよな?」
そう言うと左手でそっと涙を拭ってくれた…
「……。あの人は誰なの?」
「あいつは、俺の研究チームの一人。
大学の同級生が職場の同期になり助手になった。そんなところだな。」
不安は拭えない回答に返答に困る。
それもこれも熱のせいにする。